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プラネタリウムのふたご

090915_プラネタリウムのふたご_s

~「ほんものを見る、っていうのもな、むろん大切なことだよ」
泣き男はつづけた。
「でも、それ以上に大切なのは、それがほんものの星かどうかより、
たったいま誰かが自分のとなりにいて、自分とおなじものを見て喜んでいると、こころから信じられることだ。そんな相手が、この世にいてくれるってことだよ。」
そういって赤らんだくちびるをとじると、泣き男はおもむろにスープにもどった。
さじの皿にあたる音がしずかにかちゃかちゃとひびく。~

(いしいしんじ プラネタリウムのふたごより)

トリツカレ男の原作がとても良かったので、
なかなか読み進められずにいたこの本に再度挑戦する。
いしいしんじの作品の中で、長編作品はあまりとくいではないものが多く、
ゆめの中で必死に走ろうとしているときのような
進みたいのに進めないまどろっこしいおかしな感覚におちいる。
(麦ふみクーツェに関してはとちゅうで投げ出してしまった。)

でも、後半、あるエピソードを境に、するすると流れ出した。

こころにすとーんときたことばは、上記の泣き男のセリフ。

わたしの父は地学や天文に詳しい。
幼い頃はよく、懐中電灯の明かりを夜空にむけて放ち、
星と星を差して小さいわたしと弟に、星座を教えてくれたものだ。

そんないとおしい、いつかの夏休みの夜を思い出した。
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