スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

北欧のひかり

0725_06.jpg
「陽光習作」1906

ヴィルヘルム・ハンマースホイ Vilhelm Hammershøi(1864-1916)
デンマーク コペンハーゲンで生まれ育ち
生涯をそこで過ごす。

ハンマースホイは、室内画家である。
そして、彼の作品の多くをしめるのが
誰もいない部屋を描いたもの。

「私は常にそのような古い部屋には、
たとえ人がいなくてもある種の美しさがあると思っています。
あるいはそれは、まさに無人であるからこそ、
美しいのかもしれません」

そう、語った、彼。

自らが妻と住む家の

白いドアや
器ののった茶色いピアノ
ストーブ
ソファ

それらに差す
まどからのひかり

そしてその家にたたずむ
妻の後ろ姿

ひたすらに
丁寧に
ずっとずっと、彼は描き続けた。

*

「…ハンマース…ホイ?」

電車の中のポスターをみて気になっていた
黒い服を着た女の、意味深な後ろ姿に

名前後半の「ホイ」という響きに(笑)ひかれて

…つまり何の予備知識も無く、
でも「きっと すきだろう」と根拠のない確信をもって
上野 西洋美術館へ行ってきた。

琳派展やフェルメール展にひとをとられてるのか
日曜の美術館にしては適度な量の人しかおらず
私が苦手な
休日の美術館にありがちな浮ついたかんじはなく
観るものがみな ひたっと その絵の空気に浸っていた。

そして、ずらりならぶ彼の中で、
初期のころの「白い扉」という作品の
そのドアにあたるひかりのまぶしさに
私は目を奪われた。

部屋は静かだ
時々、妻の奏でるピアノの音。
わたしたちの日々の生活
昔住んでいただれかの気配

「モッタイナイ」

急激になんかそう思って。
駆け足で観た。

そしてもどってゆっくり観た。

お気に入りの写真集をめくるみたい
わたしはぜんぶみつくすのが勿体なくて
つい読み飛ばしてしまう。

おいしいものは最後に食べたいという貧乏性なのか。

きれいすぎて すきすぎるものは
いつもそうだ。

いままでまったく知らなかった画家だけど
最近行く機会があったことで急激に(勝手に)
親近感を覚えている北欧の風景

なんだろう

ミステリアスだとか
奇妙、
と言われる彼の絵。
でもわたしはそんなことではなくて
あたたかさを感じたんだ。

「ゲントフテ湖、天気雨」という作品。

これは建物のない、風景画。
ひろがる曇り空と湖と
湖ごしにみえる、並木通り 
ゆらぐ水面にきらめくひかり

二度目の「ゆっくり鑑賞」でみつけたその作品は
ひときわきらきら輝いてみえた。

ほの暗い曇りの日の すこしの間 さしこむひかり
その瞬間に立ち会えた よろこび

それは一瞬のできごと

一瞬のひかり。

上野 西洋美術館
ヴィルヘルム・ハンマースホイ展
スポンサーサイト

管理者にだけ表示を許可する


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。